一本の台本から大きな幸せ

マスコミの力は素晴らしいです。
新聞に掲載、テレビで放映されるとすぐに公演依頼や台本依頼の問い合わせがあります。しかし我々の本業は?
県外でも公演したい気持ちは多いにありますが、なかなか・・・・。
我々が行けば、その時だけのもので終わってしまいます。

「自分たちの地域は自分たちで。台本をお譲りします」と新聞、テレビで伝えたところ、
10日間で110件、今日(7月11日)現在で186件の台本依頼がありました。
その中で、依頼者からの声を掲載します。

高知県の方からは、
「私は、夫婦で宅老所を経営しております。地域との交流として、
 是非演じ、認知症について理解してもらえるよう活動してみたいと思います」

山形県の○○地区社協の会長から、
「20年前に祖母が認知症になり夫婦で大変苦労した経験があります。
 夜になると「実家に帰らせて頂きます」と云って、風 呂敷に荷物を纏めて背負いこんだり、
 ちょっと目を離すと徘徊し心配したり、道路を斜めに横断し車に轢かれそうになったり、
 真夜中に夫婦の布団に潜り込んで来たり、今となっては懐かしい思い出になっておりますが当時は死ぬ思いでした。」

北海道稚内市の方から
「私は認知症サポーターの一人です。何とか我が地域に理解とサポーターの輪をと考え、
 グループが出来寸劇をと話合っていたところです。」
 
このように、全国から思いを寄せて台本依頼がありました。
ほとんどが地域包括支援センターや社会福祉協議会、ボランティア団体などの関係機関からの依頼でしたが、
中には現在、介護されている介護者の方からの依頼もあり、送りました。

その方から、お礼の手紙が届きました。
手紙の内容があまりにも感動し、涙を流しながら読ませて頂きました。
ご本人さんに承諾を得て掲載いたしました。

「お忙しい中、私のために台本を送って下さり誠にありがとうございました。
 ナレーターの言葉もあり、とてもわかりやすく台本のご縁、出会いに嬉しく、そして家族の接し方に凄く感動致しました。
 主人は網膜色素変性症で全盲になり、その上認知症が進んで台本の動作と言葉もぴったりです。
 私に当てはまることばかりで勉強になりました。
 
 私がイライラしていると言葉もきつくなり、主人も傷つくし、温かい言葉で接することで主人も私も元気が沸きます。
 家族の名前も忘れ、特に排泄は、オムツを脱ぎ細かく破り、介護のズボンや股引も破り、下半身を丸出し、
 尿や便を付着したままで歩かれるので大変です。でも生きている何よりの証拠です。
 
 主人が認知症でなかった頃は、他人事だと軽んじて思っていた私に対しての警鐘だと受け止め、
 台本の内容が教えの一つひとつピッタリと私に当てはまる真実の教えであることに気付かされました。
 『世界中でただ一人、私を選んで下さった主人は世界一の一です。一度だけの人生。
 明るく楽しく笑顔を忘れず感謝の気持ちをもって、私なりに温かく介護させて頂きます。』
 台本によって、夫婦の絆が深くなり生きる力も強くなりました。
 辛いことが多いけど、見方・考え方を変えることで気持ちが変わり前向きになれる。
 この前もテレビをひっくりかえされても「怪我がなくてよかったね」と安心できるし喜べます。
 
 先日、ふとしたことから悲しくて泣いていると
 「介護の疲れで自殺の話あったから頑張られ。
 お父さんは目が見えないから許してあげられ。病気だからね」
 と息子が心配して励ましの言葉をかけてくれました。
 「ハッ」と我にかえる自分に気づきました。
 家族に助けられ、地域の方々に支えられ、私の心にも余裕が出来、笑顔になり元気が出ます。
 
 昼夜逆転になった時、息子が「お父さん、元気であればいいちゃ」。主人の心に寄り添える自分でありたいです。
 台本から元気と勇気を頂きました。
 人生二人三脚で介護によって生きる喜びを貰っています。
 小杉爆笑劇団皆様のご活躍をお祈り申しあげます。」

このようなメッセージを頂き、心から感謝したいと感じました。
台本依頼の際に必ず、「おいくらですか」と聞かれますが、私ごときが作った台本に値段があるはずがありません。
しかし、お金に換えられない何よりの報酬「幸せ」を頂きました。
全国の方からの温かいメッセージ。このメッセージを噛み締めこれからの仕事に活かしていきたいと思います。

台本を依頼して下さった皆様に心から感謝いたします。
ありがとうございます。

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